書法研究◇聿 修 會◇

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<宋時代の書>

北宋の書は大別して、前期の復古主義と後期の革新主義とに分けることができる。建国当初、北宋は
唐の模倣につとめた。宋の太宗のときに「淳化閣帖」がつくられた。 これは、唐以前の名跡をまとめた
集帖で、王羲之父子の書が半分を占めている。  その後、大商人や大地主の台頭とともに、革新的な
風潮が広まり、個性や思想内容を重視する傾向が強くなった。 宋時代の書の中心となるものは、この
革新精神であった。  蘇軾(東坡)・黄庭堅(山谷)・および米フツ(元章)が、 その代表的書家であり、
宋の三大家と呼ぶ。  また蔡襄を加えて、宋の四大家ともいう。彼らは、王羲之の書と顔真卿の書の
両方の書風を研究しながらも、そこから独自な、極めて人間味のある書風を生み出した。    蘇軾の
「黄州寒食詩巻」などにみられるような、気魄雄大な書風。     黄庭堅の「黄州寒食詩巻跋」などに
みられるような、鋭く深い書風。 これらは、禅の修養により 人間性の横溢したものなのであろうか、
それぞれの個性が筆意となって滲み出ている。  この二人に比べ、米フツはさらに本格的に書を研究
した人で、王羲之の型を最もよく摂取している。   彼は行草体の書に秀で、「蜀素帖」その他多くの
傑作を書いた。  それらは非常にダイナミックであり、力強い書風である。次の南宋時代には、張即之
その他がいる。   しかし、彼らは米フツの書を学んだに過ぎず、南宋の書に特別な発展はみられな
かった。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・










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