書法研究◇聿 修 會◇
<秦時代の書>
戦国時代末期に 勢力を 増大させた 秦は 六国を 征服して、一大帝国を 作り上げ、専制主義的、
中央集権国家体制が はじめて確立した。そして各種の統一が実施された。まず
各国がばらばらに
用いていた度量衡を統一し国定の枡や分銅などを各地に頒布した。貨幣も各国の布銭や刀銭など
をすべて廃止して、秦の円形方孔の半両銭に統一し、文字は小篆で統一した。 この小篆は、時の
宰相であった 李斯が 始皇帝の命を 受けて、大篆の 繁雑な点画を簡略化して作ったといわれる。
そして 公式文字として、始皇帝の 地方巡幸の 頌徳碑として 七石に刻まれた。
現存するのは
泰山刻石・瑯邪台刻石の断片のみであるが、均斉のとれた 縦長の点画の装飾のない整理された
字形である。また度量衡の統一によって定められた 権や量の銘文にも小篆が見られるが 簡略な
実用体で書かれたり 素朴な趣きを残しているものもある。権と量の銘文をあわせて権量銘という。
日常生活には 筆写体として、すでに隷書が通用していた。湖北省雲夢睡虎地の古墓から出土した
秦の法律を記した竹簡に、その例がみえる。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・