◇ 文房四宝 ◇

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書法研究・聿修會(いつしゅうかい)

=硯=

=墨=

=筆=

=紙=

=その他=

硯は文房四宝の中で実用的な面と鑑賞的な面の両方を
かねそなえた文房具といえます。大事に扱えば一生
使えるものです。
硯の歴史は墨とともに歩んでいます。現在発見されている
最も古い硯は、中国・西周時代に使われていた調色器です。
おそらくこれが今日使っている硯の前身となったものでしょう。
秦代になると研磨器をともなった丸い硯が使われるように
なりました。この頃から墨が使われるようなります。
墨といっても現在のような四角い墨でなく、丸い形をしていて、
磨りつぶして使われていました。
漢代になると、ようやく現在使われている硯に近いものが
作られるようになります。これは松煙墨のような固型墨が
発明され研磨器が必要なくなったことが理由に挙げられます。
また、紙が発明されたことにより、硯も改良され、量産する
必要があったことも理由に挙げられるでしょう。
唐代に硯石が発見され、今日でもよく使われている端渓硯や
歙州硯が作られるようになりました。
宋代になると墨堂と墨池が前後に分かれた現在私たちが
使っているものとほぼ同じ形の硯が出現します。
日本では鎌倉時代に入ってから、石の硯が使われるように
なりました。

墨の原料であるススの違いにより、墨を二つに分けることが
できます。それが松煙墨と油煙墨です。ススは、ものを燃やした
ときの煙に含まれる黒い粉末で、成分は炭素です。
長い歴史の中で墨の原料をいろいろと求めるうちに淘汰
された結果、この松煙墨と油煙墨が残ったのでしょう。

筆の種類は大きさ、毫(毛)の材質によって大別できますが
実際のところ区別のつかぬものがあります。
初めて見るものもあって多種多様としかいいようがない
ところがあります。「文房清玩}ということばがあります。
使用するだけでなく、美的に優れたものを鑑賞し親しみ
楽しむことですが、これに類する筆を賞玩筆(鑑賞筆)と
いいます。明・清代にかけて特に高度な技法の装飾が
ほどこされ、美術性を高め、鑑賞用の逸品がつくり
だされています。
鋒はいろいろな原料が使われています。

羊毫〜
江南の山羊といわれる羊の毛。日本でつくられる
羊毫筆の毛も中国産のものです。

書画用の紙は大きく中国製の紙(唐紙)
日本製の紙(和紙)に分けられます。
紙はねかせた方がよいようです。出来上がったばかりの
紙より、ある程度時間がたった紙がよいようです。
特に画仙紙に淡墨を使用する場合はそれを強く感じます。
三年より五年、五年より十年のものが具合がよろしいよう
です。紙をねかせるというのは、紙を生き物としてみて
いるからでしょう。紙は湿気をきらいますから、部屋の
上部の戸棚等にねかせます。
ビニール袋等ははずし、通気性のある紙で包み、時々
上下を積み替えてやります。理想的には桐ダンスが
いいでしょう。
このようにねかされた紙は、糊も繊維も枯れてきて
発墨の妙を見ることになります。

人が書くという実用目的の諸道具に、美的要求をする
ようになるのは当然といえます。
文房四宝以外の諸道具にも素晴らしい鑑賞用に
価する美術品といえるものがあります。
道具には下敷き・文鎮・印・印泥・筆架・筆帽・筆筒・筆立
筆巻・水滴・筆洗・墨床・墨池・紙刀・印矩・印褥などが
あります。

墨すり機〜
各メーカーから墨すり機が市販されています。 墨は手で
すって使用するのが最も良いのですが、大量の墨汁を
必要とした場合には好都合でしょう。
※私の場合は量に関係なく常に墨は手ですって使用し、
  微妙な墨色と硯の感触を確かめます。

老坑 (275×190×25) 艸亭愛用硯 

◆硯に適した石◆

◆硯の製法◆

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