創 作

◇ 創作へのプロセス(漢字の書)◇

最大の目標は 自分独自の書を書くこと、つまり創作にあります。 いろいろと苦労して
臨書するのも、ひとつには 創作の手がかりを得る為なのです。 どれだけ臨書したら
創作へ入れるというような決まりはありません。  臨書と創作をとりまぜ、同時に進行
させていくのが堅実な方法といえるでしょう。 学書過程の中で創作の力をつける学び
方が必要です。臨書だけをしていても、創作がうまくいくものではありません。
臨書と創作を並行しながら学ぶようにしたいものです。

   ◇ 手順 ◇

1 漢詩を選択する。
  ○書作品にする詩文を選ぶ。特に展覧会出品作の場合、季節感のある詩文は時期に
    応じて合わせます。

2 書体の目的意識。
  (篆書・隷書・楷書・行書・草書)
  ○まずは自分の好きなもの・得意とする書体、或いは研究中の
    書風から始めるとよいでしょう。

3 決定した書体。
  (字句)の集字作業。
  ○詩文の字句を古典(古碑・古法帖)から、同一書風の文字を集めます。集字する場合、
    法帖と字典に分かれますが、私の場合は出来る限り法帖から集字します。
    字典は文字の正誤調べ等に利用しております。

    ※ 法帖 〜 同一の古典からコピーする。
    ※ 字典 〜 各書体の把握と文字の正誤確認。

4 法帖から必要な文字を抜き出して、コピーする。
  ○コピーに至る迄大変な作業ですが根気よく続けて下さい。
  ○同一の古典から集めるのが一番よいのですが、集めたい文字が同じ古典に
    無い時は偏と旁を合成するか、書風の似た書から集めるように工夫します。

5 コピーした文字を作品風に配列整理する。
  ○何通りかの配列を試みて下さい。

6 作品の糸口となる臨書。
  ○詩文に配列された個々の文字を古典の中から拾い出し、其の詩文の文字の位置通りの
    パターンで、それぞれ一文字づつ前後して臨書する。
    五言絶句であれば20文字、従って最低20通りの組み合わせの臨書が出来ます。
    作品への足掛かりは、この臨書作業を多く重ね、感覚や感性を働かせます。

7 配列された集字を手本に繰り返し倣書してみる。
  ○倣書の繰り返しを行ない、一歩進んで自分なりの草稿を重ねる。

8 古典の馥が漂う、個性ある作風で仕上げる。
  ○字は誰でも書けますが、勝手に書いたものは自己流になりがち、すぐれた創作は
    必ずどこかに古典の馥がするものです。

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書法研究・聿修會(いつしゅうかい)

{ 増田 艸亭 }

   寸法:尺八屏
( 一枚目の書き出し )
臨書と倣書を並行して
充分な練習を 繰り返し
墨色・線質・構成等に
気を使い、個性のある
魅力のある・・・作品に
仕上げていきます。

字典から 集字したもの
本来は 法帖から集字
しなければならず・・・・・
・・・この集字でも相当な
時間を費やしましたが
今回は手抜きです。

 ※ 画像による簡単な作品
    制作の応用編 ・・・・・


  (学院展向けの作品書き)   

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