書の神髄 |
◇中国書道史に名を遺した古人は神髄を究めた◇ |
長い歴史を持つ中国から伝来した漢字書道だけに、極論でいうと日本書道史上に書の神髄を究めた書人 は残念ながら見当たりません。ましてや現代の書人は言うまでありません。現代書家の中で気品ある書を 書ける書人は数少ないでしょう。 一家を成して中国書道史に名を遺した古人、書家や書人の優れた書跡 (古典)を手本に我々は学書している訳ですが、この古典を無視しては 古来の気品ある書は全く書けない ものです。 それだけに古典は尊いもので、疎かに出来ません。 古典は深遠でなかなか容易に近づけない 難しさがあります。 しかし古典臨書を系統的に 一歩一歩、段階を 経て努力しなければ 書として 全く成立 いたしません。優れた先人達(中国の書人) は代々、古人の書跡を学びながら独自の書法を確立し、大家 として樹立された。 基礎から しっかり 学んでこそ 書法に適った書が 段階的に生まれてくる。 それに伴い 書に対する、物のよしあしの鑑識眼も高まっていきます。 ・・・・・(増田艸亭) 【註】 ※日本書道史上に書の神髄を究めた書人は見当たらないは・・・中国歴代の古人(書人)に匹敵する人物がいない。 ※日本歴代の古人(書人)にも・・・広義で解釈すれば “書の神髄を究めた” にちかい模範となる書跡を遺した。 ※この古典を無視しては古来の気品ある書は全く書けない・・・優れた書跡は代々受け継がれ、今日まで活用されている。 ※書として全く成立しないは・・・書として体を成していない、自己流の字を指します。 ※古典とは・・・古い時代のもので、今日なお範とするにたりる意味内容を持つ。唐以前の書に多く古典を認めうる。 ※書法とは・・・文字を書くときの方法の総称。 「 書として文字を書き上げる時に 必要な事柄の各要素を修得なくしては、書を作り上げる事は 不可能 」 ※書家とは・・・一家を成した作を遺し得る人。 「 最近、書道家を 自称する人が増えた。 この呼称は “書の本流” の視点で 捉えると 適合されにくい 」 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- |ことばの書窓| 書の真髄、筆使いから始まり、そして筆使い。 <2008年 9月 :増田艸亭> 稚拙が漂う書は、人の心を惹付け、奥深し。 <2009年10月 :増田艸亭> 喰わず嫌いは、学書の妨げなり。 <2010年 3月 :増田艸亭> 己の書は有儘の姿、論説口実を慎む。 <2010年 9月 :増田艸亭> 劬劬の学書あってこそ、真の書を知り、人を知る。 <2011年 1月 :増田艸亭> 不均衡による粗密の調和は書の趣なり。 <2011年 1月 :増田艸亭> 拗けず、繕わない、仄々とした一粒の書、人となり。 <2011年 1月 :増田艸亭> ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 【研究資料】 【協働講座参考手本】 臨書研究 第1回 基本点画 / 石鼓文(篆書) 創 作 第2回 史晨後碑(隷書) 拓 本 第3回 九成宮醴泉銘(楷書) 法 帖 第4回 蜀素帖(行書) 米 元 章 第5回 書譜(草書) 明・董其昌 第6回 実用書 / 創作 書の構造 ------------------------------------------------- 学書の礎 ------------------------------------------------- 馥郁の書 【作品】 書の本質 書作品集 書と篆刻 自由詩(自詠) 書の三多 ------------------------------------------------- 書の解説 【石碑探訪】 執 筆 法 @ A B C D E F G H 学書の姿勢条件 I J K 平仮名の字源 ------------------------------------------------- 片仮名の字源 甲骨文を書く 中国の女文字 雅 号 印 譜 気品の書 臨書態度 条幅研究 書作品資料 講演揮毫会資料 書体のいろいろ 調和体について 調和体概念図 ひとり言(墨の事) 門下用小冊子 書道研究観 干 支 表 書き初め 国字について 書の歴史(中国書道歴史篇) 書の歴史(日本書道歴史篇) ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- |
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